転移した先での治療

考える男性

がんが転移してしまう病気ということは広く認知されています。大腸がんや子宮頸がんなどは、進行が進むまで自覚症状が無いがんとして有名ですが、自覚症状が中々出ない分、発見したときには進行が進んでいることがあります。また、ほかの臓器に転移してしまっているという場合もあるでしょう。大腸に隣接している肝臓は、大腸がんが転移しやすい場所とされています。大腸がんと診断された人の約11%に肝臓への転移が見つかっており、大腸がんの手術後に肝臓で再発が起きた患者もいます。肝臓に転移している場合、転移した場所と何箇所転移が確認できるかなどを調べることになります。肝臓以外にも大腸がんが転移していないかどうか、切除がすべて行えるかなど様々な視点から対策を練っていくのです。肝臓へ転移したがん細胞を手術ですべて切除できた場合、治る確率もぐんと上がります。しかし、大腸からの転移が肝臓だけに留まった状態でも、小さながん細胞が全体に散らばるように転移を起こしている場合、手術ではなく抗癌剤を用いた化学療法によって治療を進めることが一般的とされています。この化学療法で転移巣が小さくなることがありますが、その場合には切除手術が行える可能性も出て来ます。

肝臓の次に大腸がんが転移しやすい場所として肺が挙げられます。転移は約2%で、手術後の再発もゼロとは言えません。転移したがん細胞をすべて切除できた場合、治る可能性は肝転移同様高くなります。肺の切除手術は、胸を切り開く開胸手術で行われていましたが、近年では、小さな穴を数箇所胸に開けて、小型のカメラと手術器具を入れることで映像を見ながら行う胸腔鏡手術という方法が用いられるようになっています。傷が小さくて済むため患者への負担も少なく、術後の回復も早いというメリットがあります。こうした手術によってがん細胞に侵された肺を切除しますが、すべて取り切ることができない場合やほかに転移が見つかった場合は、肝転移と同じく化学療法が進められます。転移の場所や患者の身体状況に応じて、放射線療法と併用して治療が行われることもあります。大腸がんから肝転移や肺転移を起こしてしまうと、進行が進むにつれて転移を防ぐことが困難になってしまいます。転移を起こす前に、早期の発見と治療が大切です。定期的な健診を行うようにして、自己の健康管理に気を配る必要があります。