大腸がんの行末

医師

大腸がんと一概に言っても発生場所によって症状は勿論、治療方法や術後は大きく異なります。比較的進行がゆっくりで治りやすいという特徴を持っている大腸がんですが、小腸に比較的近い場所にがんが発生してしまった場合、ほかの臓器に転移してしまう可能性が高いです。転移した先の臓器のがんの症状で大腸がんが見つかるケースも珍しくはありません。進行が遅く自覚症状が少ないからこそ、血行性転移やリンパ節転移を起こしやすいです。大腸に発生したがん自体の完治の確率はとても高いですが、肝臓や肺、腹膜へ転移してしまった場合には治療や手術にも時間を要することが多いです。肝臓の場合、大腸と隣接している臓器ということもありますし、大腸から流れる静脈血が最初に入る臓器は肝臓のため、血行性転移を起こしやすいという特徴があります。肝臓から肺へと広がってしまうと、そこから脳や骨にまで進行が進むことが多いです。大腸がんが進行していくと、腸管を壊して腸の外までがん細胞が広がります。そうなった場合、がんの組織が腹膜へ落ちてしまうことで広範囲に散らばり転移を起こしてしまいます。

大腸がんの治療方法には、内視鏡的治療と外科療法、放射線療法と化学療法があります。今までも内視鏡によって診断し、ポリープの有無を確認した上で必要に応じて切除などをしていました。しかし、最近では技術が向上したことによりポリープの表面を100倍に拡大して観察することができる内視鏡が登場していることで、より精密な検査と切除作業ができるようになっています。大腸がんは外科療法によって基本的に治療が行われています。切除する結腸の量が多くても、術後に機能障害が引き起こされることはほぼありません。しかし、直腸の手術は慎重に行わなければ神経を損傷してしまうことがあるため慎重な判断をもとに決定されます。放射線療法ではがん細胞を外側から治療するために行われます。化学療法と併用して行われることが多く、場所によって短期か長期か違いがでます。副作用が出ることはわかっていますが、痛みを緩和し、手術が難しい場所の治療には効果的です。化学療法は抗癌剤を用いた治療です。転移だけでなく、再発防止も視野に入れた治療方法とされています。近年では副作用が少ない抗癌剤が開発されたことにより、入院せずに外来通院で治療を行っている患者も増えています。